スマートシティーで重要になる道路ネットワークへのリアルタイム交通情報配信システムの提供
リアルタイム交通情報配信
自動車の普及が著しい都市部における交通渋滞の発生に対して、道路の拡幅や地下鉄の提供などで対応する方法がありますが、一般的に、道路や交通インフラの工事になると完成まで要する期間やコストが大きくなってしまいます。そこで、ITSを活用して、既存の道路を最大限に活用するのが一つの中期的な解決策になります。ITSには、交通信号の高度化など多くの分野がありますが、ゼロ・サムが提供するのは、リアルタイム交通情報配信システムです。ゼロ・サムでは、その配信システム全般を一括して開発、提供することができるため、低コストで、短納期なトータルソリューションを提供可能です。
交通情報配信システムの概要
交通情報配信システムは、①交通情報取得、②交通渋滞情報生成、③交通渋滞情報配信の3段階のプロセスからなります。①交通情報取得は、道路上に設置した交通量センサーから、道路上を交通する自動車の交通量、速度、車長、オキュパンシなどの交通データをリアルタイムに取得します。②交通渋滞情報生成では、①で取得した交通データを地図データ(道路リンク)にマップマッチさせ、交通渋滞情報を生成します。また、交通警察などからの交通インシデント(事故情報、規制情報)も取得し、付与します。③交通情報情報配信では、②で生成した交通渋滞情報を、交通情報板(VMS)やスマートフォンなどにリアルタイムに配信します。ゼロ・サムが提供するシステムにおいては、各プロセス間の通信制御にモバイル通信を活用できるため、設置コストや設置期間を大幅に短縮することが可能です。
インド、アーメダバード市での実証試験
2013年11月に、JICA 民間提案型普及・実証事業に採択され、インド、グジャラート州アーメダバード市内の西部地域において、交通情報配信システムの実証試験を行いました。この実証試験では、摂氏50度まで上昇する厳しい環境への対応可能性や、交通情報板の半分を広告スペースとして活用し、その広告売上から保守費用を賄うビジネスモデルの検証などが行われました。2014年10月にオープニングセレモニーが開催され、導入したシステムは問題なく稼働しました。インドにおいて、リアルタイムな交通渋滞情報の提供は初めての事例であり、現地政府関係者によるセレモニーが実施されただけでなく、新聞や雑誌、TVなど100を超えるメディアに取り上げられるに至りました。結果、実証試験は成功裏に終わり、2015年5月からは、そのシステムの運用を現地政府からゼロ・サムに依頼されるとともに、2015年11月には、アーメダバード市内中心部の再開発地域であるリバーフロント地域へのITS導入が決定しました。現在、システム導入中であり、2017年初頭には導入が完了予定です。
PPP モデルの実現
PPPモデルとは、Public Private Partnership の省略であり、官民連携と訳されます。日本ではFPIと言われることも多いですが、民間資本を使った公的インフラの整備の事を言います。前述のアーメダバード市の実証試験において、交通情報板(VMS)の半分を広告とし、システム運営費を賄うモデルの成功に伴い、2015年11月には、ゼロ・サム ITS 社として、アーメダバード市と30年にわたるコンセッション契約を締結しました。このPPPモデルは、インドで多くの都市から注目を浴びています。2016年から、インドのモディ首相が進める100スマートシティー構想において、100都市が総額1兆円の予算のもと、スマートシティーの構築を目指しており、多くの都市で交通情報配信の PPP モデルの実現が想定されます。