インターネット常時接続自動車に向けたテレマティクス、ナビゲーションシステムの開発
テレマティクスシステム
テレマティクスシステムとは、自動車に接続、内臓された端末を経由してインターネット接続を行い、それに伴ったシステムおよびサービスの総称です。例えば、自動車に接続された GPS 端末から取得した位置情報を使って、自動車の走行診断を行ったり、その位置情報をサーバへアップロードし、他の自動車の位置情報と合わせて、交通渋滞情報を生成したりします。また、自動車の CAN や OBD2 から取得するブレーキ、アクセル開度、ワイパー利用状況、故障情報、ガソリン残量などから、ピンポイントな天気情報を生成したり、自動車の自己診断を行ったり、ガソリンスタンドへの立ち寄りを推薦したりもします。このようなサービス、システムは、保険会社のシステムと連動して最適な保険の販売へつなげたり、自動車ディーラーのシステムと連携して、最適なタイミングでの車両検査や見落としのない検査や修理などを実現します。また、遠隔から自動車の動きもトラックする事ができるようになるため、例えば、盗難対策にもなります。端的に言うと、自動車にインターネットが接続されたことによってできるようになったサービスをテレマティクスと呼んでいます。ゼロ・サムでは、クライアントシステムとサーバシステムのどちらも含めたテレマティクスシステムのシステム全般の開発を行っております。また、海外向けのシステム構築も手掛けています。
カーナビゲーションシステム
カーナビゲーションシステムとは、自動車に内蔵された、もしくは、後から外付けされるもので、GPS 機能により位置情報を取得し、その位置情報を元に、内臓された地図データ上に自車位置をマッピング(マップマッチ)するとともに、入力された目的地に対しての最適な経路を提案し、その経路に従って走行する自動車に対して、交差点毎に方向をナビゲートするシステムです。最近では、VICS 交通情報を表示するものだけでなく、インターネットとの接続が可能になる事によって、プローブからの交通渋滞情報を取得し、渋滞情報を加味して最適な経路探索を行い、渋滞情報の変化に応じた再経路探索も行う事もできるようになってきました。さらに、CPU の高機能化にともない、地図の 3D 表示や交差点の拡大表示やレーン表示なども実現し、音声ガイダンスなども強化されています。今後は、自動運転との連携への展開が想定されています。ゼロ・サムでは、自動車内臓型やスマートフォン型のナビゲーションシステムの開発を行っており、QNX OS や Android OS、i OS、Linux OS、Windows OS などのプラットフォーム上のシステム開発では、国内向け海外向けともに数多くの実績があります。
自動車とスマートフォンの連携
カーナビゲーションシステムは、2000年前後から普及が始まり、現在までに、国内で7000万台近くが出荷されています。また、テレマティクスシステムも、国内で商用車の60%に普及しており、どちらも一般化してきています。最近では、スマートフォンの急激な普及により、スマートフォンによりカーナビゲーションが提供されたり、テレマティクスのいくつかのサービスもスマートフォンと連動するようになってきました。また、国外とくにアジア地域に目を向けると、まだ内臓のカーナビゲーションシステムは高価なため、普及してきたスマートフォンを代替につかう事例が多くあり、自動車とスマートフォンの連携が重要視されています。スマートフォンとディスプレーオーディオを連携させ、インターネットへの接続機能やGPS機能、ナビゲーションアプリはスマートフォンが提供し、そのナビ画面やナビ音声はディスプレーオーディオが担当するというものです。ゼロ・サムでは、スマートフォンと自動車のディスプレーオーディオとの連携は、ミラーリンクなど複数の連携モデルの開発実績が、国内、海外向けにあります。
自動運転に向けて
自動運転では、認識、判断、実行の三段階のプロセスが高速に継続して回り続けることにより実現しています。 認識では、レーダーやカメラ、DSRC、GPSなどから取得してきた外部情報、また、車両速度、加速度、ブレーキ、ハンドル操作、ウィンカーなどの内部情報を入力とします。その入力に対して、地図上に自車位置をマッピングし、ナビゲーションへ入力した目的地に向かっての最適経路情報から、最適な経路、行動を判断し、その判断に基づいて、アクセル開度、ハンドル舵角、ブレーキなどを実行します。そして、それらのプロセスを高い頻度でループさせることで自動運転を行っています。センサーなどの実証には、ROS 上の Autoware などのプラットフォームが使われることもあります。 ゼロ・サムでは、CAN などからのリアルタイム情報取得とともに、自動運転に向けた CAN を経由した ECU への命令通知なども行っています。